もしも両親が交通事故で亡くなってしまったら、残された子供はどうなるのか

交通事故の恐ろしいところは、いつ、誰に起こってもおかしくないことです。

赤ちゃん、未就学児、小学生、中学生、高校生など、日本では成人を迎えるまで、子供の養育は親(保護者)の役割とされています。

では、もし万が一両親が交通事故で亡くなってしまった場合、残されてしまった子供たちはどのように生活していけば良いのでしょうか?

子供の養育に関しては、大まかにいうと2通りしかありません。

  • 残った親や親戚、故人の知り合いが引き取り、養育する
  • 施設などに引き取られ、そこで生活する

のいずれかです。

そして、残された子供たちが生活していくためにはお金がかかります。

交通遺児のいる家庭や、交通遺児本人を支援するための制度はいくつもあります。

場合によって取捨選択は必要ですが、どんな制度があるのか知っておいて損はありません。

今回は、交通遺児がいる場合に利用できる制度を紹介します。

独立行政法人・自動車事故対策機構による「交通遺児等貸付制度」

独立行政法人の「自動車事故対策機構(通称NASVA)」では、「事故により親が亡くなった、もしくは親に重度の障がいが残った家庭の子供」を対象に、「中学校卒業までの生活資金」を無利子で援助する制度を利用することができます。

申し込みができるのは交通遺児の保護者で、貸付金は子供一人につき

  • 申込み後、一時金として「15万5千円」
  • 中学校卒業まで、「1ヶ月2万円」
  • 小学校と中学校の入学時に、支度金として「4万4千円」(希望者のみ)

を無利子で貸してもらえます。

なお、月額ぶんは1月、4月、7月、10月に、3ヶ月ぶんまとめて振り込まれます。

返済期間は20年。返済は子供が中学校を卒業してから半年、もしくは1年後からはじまります。

ただし、中学校卒業後に高校や大学に進む場合、返済は猶予してもらえます。

必要書類は、

  • 申込書
  • 交通事故証明書
  • 戸籍謄本
  • 印鑑登録証明書
  • 重度の障がいがあることを証明する書類
  • 非課税証明書など、保護者の生活レベルを証明できる書類

です。手続きは、最寄りのNASVA支所で行いましょう。

公益財団法人・交通遺児等育成基金による「育成基金制度」

交通遺児等育成基金という機関では、交通遺児支援のための基金の運用を行っています。

簡単にいうと、「株を買ってその配当金を受け取るようなもの」だと思っていただければ良いでしょう。

両親を亡くした子供たち(加入できるのは16歳未満)が加害者や加害者の保険会社から受け取った損害賠償金を拠出金として投資してもらい、そのお金を基金が運用して出た利益を「毎月○万円」という形で振り込んでもらう制度です。

拠出金の金額は、子供の年齢によって「240万円から700万円」と幅があり、例えば子供が10歳のときは525万円必要です。

給付金の運用は低リスクで行われ、国や支援者の援助金も合わせて子供が支払った金額よりたくさん返ってくるのが特徴ですね。貸し付けではないので、返済する必要はありません。

振込は3月、6月、9月、12月の3ヶ月ごと。10歳なら一月あたり4万5千円、年額「54万円」となります。

また、入学するとき、就職するときは年齢に応じたお祝い金がもらえます。

ちなみに、給付金は非課税です。

手続きに必要な書類は、

  • 申込書(子供が複数いる場合は人数ぶん)
  • 自動車事故証明書
  • 死亡診断書等、ないし死体検案書
  • 保険会社から賠償金を支払ってもらったことの証明書
  • 交通遺児本人と、親権者の戸籍謄本
  • 後見人が申し込む場合のみ、子供との関係を証明できる書類

です。

手続きは、東京都千代田区にある交通遺児等育成基金で行います。

交通遺児等育成資金の「支援制度」

交通遺児等育成資金では、一つまえに紹介した育成基金のほかにも「支援制度」を行っています。

  • 小学校入学まえの交通遺児
  • 事故によって重度の障がいを負った保護者がいる子供

を対象に、とくに生活が厳しい家庭に対して、

・越年資金

年越しに必要なお金。子供一人につき2万円。

・入学支度金

小中学校入学時にもらえるお金。入学する子供一人につき2万円。

・進学等支援金

中学校を卒業したあと、すぐに進学か就職をする場合にもらえるお金。

子供一人につき5万円。

・緊急時見舞金

災害が起きた、もしくはものすごく生活が厳しい家庭にのみ支給されるお金。

程度によって一家庭あたり5万円か10万円。

を給付しています。

給付金ごとに手続きが必要なので、利用するなら必要書類を個別に確認しておきましょう。

その他の支援制度(奨学金や自治体の給付金など)

子供に対する支援は、探せばいくつも見つかります。

学費なら、「公益財団法人・交通遺児育英会」の奨学金が利用できますし、母子手当てや市区町村ごとに存在する給付金、奨学金も使えます。

両親を交通事故で亡くしてしまっても、各種の制度を利用して生活を続けていくことは可能です。

後見人、親権者の方は、ぜひ一度役所やこれらの機関を探して相談してみてください。