残された家族を助けてくれる、遺族金の請求手続き

「年金なんて、将来どうせ貰えないんだから払いたくない!」と思っている方はいませんか?

確かに年々受給開始年齢は上がっていき、受給額は下がっていく年金制度ですが、国民年金、厚生年金、共済年金などに加入して保険料を払っていると、死亡事故が起きたときに「遺族年金」がもらえます。

ざっくりいうと、年金に加入している期間のうち、(免除期間も合わせて)3分の2以上保険料を納付している人が亡くなった場合、遺族は生活補償のためのお金を請求できるのです。

ちなみに、亡くなるまえの一年間で保険料を滞納していると請求することはできません。

遺族年金は、所得税も相続税もかからない遺族の生活のために使えるお金です。

ただし、遺族年金も各種保険の給付金と同じように、遺族の方が自分で手続きをしないともらえないので、手続き方法を知っておく必要があります。

今回は、遺族年金をもらうための手続きをご紹介いたします。

国民年金加入者の「遺族基礎年金」

遺族基礎年金を請求できるのは、

  • 亡くなった方の収入で生活していた、18歳以下の子供がいる配偶者
  • もしくは、故人のお子さん

です。

年齢については細かい決まりごとがあり、簡単にいうと「お子さんが高校を卒業するまで(3月31日)」と考えるとわかりやすいでしょう。

お子さんに一定以上の障がいがある場合は、18歳ではなく20歳の3月31日まで条件が引き伸ばされます。

なお、きょうだいがいる場合、一番下の子供が高校を卒業するまで配偶者は遺族基礎年金をもらえます。

請求手続きは、お住まいの市区町村役場の年金窓口で行いましょう。

もらえる金額は、「78万100円+お子さんの人数によるプラスアルファ」です。

手続きに必要な書類は、

  • 遺族給付裁定請求書(役場などに置いてあります)
  • 戸籍謄本
  • 世帯全員ぶんの住民票
  • 故人の住民票の除票
  • 死亡診断書(死体検案書)
  • 故人の所得を証明できる書類(源泉徴収票や課税証明書など)
  • 遺族基礎年金を受け取るための口座情報
  • 交通事故証明書(自動車安全運転センターでもらえます)
  • 手続きをする人の印鑑

です。

厳密には人によって必要書類は違います。

一枚でも欠けていたら手続きできませんので、一度年金事務所に行ってどんな書類が必要なのか確認しておくのがおすすめです。

もう一点つけくわえておくと、国民年金に限らず厚生年金に関しても「故人が亡くなってから5年」で遺族年金を請求できなくなってしまいます。

できるだけ早く請求手続きをするのが大切です。

厚生年金加入者の「遺族厚生年金」

厚生年金に加入している方が死亡事故で亡くなった場合、遺族年金を請求できる人の条件はちょっと複雑になります。

故人の収入で生計を維持されていれば、

  • 国民年金の遺族基礎年金を請求できる人+お孫さん
  • お子さんのいない奥さん(配偶者)またはお子さんが18歳以上の奥さん
  • 55歳以上の両親、祖父母、夫(遺族年金を受け取れるのは60歳から)

と、遺族基礎年金よりも範囲が広くなるのです。

手続きは年金事務所で行います。

必要書類は、遺族基礎年金の請求時と同じです。

なお、遺族厚生年金の場合、もらえる金額は故人の収入で変動します。

そのほかの遺族年金(共済、個人年金など)

たいていの場合「国民年金」か「厚生年金」のどちらかで遺族年金を請求できます。

ただ、職業によっては「共済年金」に加入していたり、個人年金を利用しているケースもあります。

これらの保険でも請求すれば遺族年金をもらえる可能性があるので、一度契約内容を確認しておくと良いでしょう。

故人がどんな保険に入っていたかわからないという方は、自宅や職場など、どこかに保管してあるはずの保険証券を探してください。

契約している年金事務所や共済組合に連絡すれば、手続きについて教えてもらえます。

国民年金加入者の「寡婦年金」

国民年金の遺族年金は、厚生年金のそれより対象者の範囲が狭いです。

亡くなった方が国民年金に加入していて、まじめに保険料も払っていて、「子供がいない」もしくは「子供の年齢が18歳以上」の場合、なんの手当てもしてもらえないのでしょうか?

そんなときのためにあるのが「寡婦年金」です。

  • 亡くなった方が(免除期間も合わせて)国民年金の保険料を25年以上支払っている
  • 結婚してから10年以上経っている奥さん

なら、寡婦年金を請求できます。

手続きはお住まいの市区町村役場にある年金窓口か年金事務所で行います。

注意したいのは、寡婦年金がもらえるのは「60歳から65歳までの5年間」だということです。本来、年金をもらうまえにご主人を亡くしてしまった奥さんの生活を助けるための制度なので、寡婦年金はすぐにもらえるとは限りません。

どの手続きにも共通するのは、「請求しないともらえない」ことです。

年金も保険もいざというときのために加入し、保険料を支払っているのです。

もとを取る、というわけではありませんが、もらえるものはきちんと請求できるようにしていきましょう。