相続人があなた一人なら、「3600万円以上」の相続で税金がかかる!

普段生活していて、税金について意識することってありますか?

意識している人も意識していない人も、いろいろな税金を納めていますよね。

買いものをすれば消費税、働いてお金を稼げば所得税、所得の金額によっては市県民税もかかります。

本来であれば、あなたの所得や財産の動きなどを細々と把握して税額を出し、自分で納税をしなければならないはずです。

しかし、税金について意識していなくても、とくに大きな問題って起こりませんよね。

会社員なら会社が所得税などを勝手に計算して天引きしてくれます。

買いものをするときは、レジに通した時点で消費税も加算されています。

普段納めている税金の多くは、あなた以外の人やものが計算や徴収をしてくれているので、普段意識することが少ないのです。

ただし、相続税は違います。

死亡事故で亡くなってしまった方の遺産を相続した場合、だれかが勝手に相続税はかかるのか、かかるとしたらいくら納税すべきなのかを計算して、徴収までしてくれることはありません。

相続税は、自分で申告と納税をしなくてはならない税金なのです。

だからこそ、死亡事故では損害賠償請求や遺産相続の問題と同様に、相続税についても知っておく必要があります。

今回のテーマは、「遺産をいくら相続すると税金がかかるのか」です。

もし相続人があなた一人の場合、3600万円以上の遺産を相続すると税金を納めなければなりません。これがどういうことなのか、おおまかに説明していきます。

相続税がかかるかどうかのボーダーライン

まず、相続税を理解するうえで小難しい用語や概念は、すべて横に置いておきましょう。

相続税の話は、細かいことや事例を考えはじめるときりがありません。難しい用語も出てきますし、相続税額の計算もかなり大変です。

死亡事故のあと打ちひしがれている人に、小難しい法律用語や税務の用語を理解しようといったって土台無理な話なのです。

そもそも、相続なんて一生のうちに何度も行うものではありません。

節税対策や具体的な相続税の額などの小難しい話は専門家に任せるとして、今回は一つだけ、「相続税がかかるかどうかの判断」ができるようになりましょう。

じつは、あなたに相続税がかかるかどうかは、

「3000万円+600万円×相続人の数」

を計算すればわかります。

この式は相続税の「基礎控除」というものを示すもので、簡単にいうと「遺産の総額<基礎控除」なら、相続税はかからないのです。

「遺産の総額<基礎控除」の具体例を考えてみよう

遺産の総額というのは、不動産も現金も借金もすべてを合わせた金銭的な遺産の合計です。

ある人が事故で亡くなって、現金1000万円と3000万円ぶんの不動産、そして200万円の借金が残されたとします。相続人は被害者の奥さんと子供の2人です。

このとき、遺産の総額を計算すると「1000万円+3000万円-200万円=3800万円」になりますよね。

相続人が2人なので、基礎控除は「3000万円+600万円×2人=4200万円」です。

遺産の総額3800万円よりも、基礎控除4200万円のほうが大きいので、奥さんと子供は相続税を支払う必要がない、ということになります。

税金について難しいことがわからなくても、「相続税がかかるかどうか」は遺産総額と基礎控除の比較で判断できるのです。

相続税の納税は、「相続がはじまってから10ヶ月」がタイムリミット

相続税の基礎控除を知っていれば、すぐに自分が相続税を納めなければならないのかどうかを判断できるようになります。

どうして相続税がかかるかどうかを判断できたほうが良いのかというと、「相続税は、申告と納税のタイムリミットがあるから」です。

「6つのステップで死亡事故後の相続の流れを確認」でも軽く触れていますが、相続税は被害者が亡くなってから10ヶ月以内に最寄りの税務署で申告と納税をしなくてはなりません。

 もし相続税を納める必要のある人が、10ヶ月以内に申告と納税をしなかった場合「延滞税」や「加算税」が上乗せされ、「10ヶ月以内に納税するときより、たくさん税金を納めることになってしまう」のです。

税金は基本的に現金での一括払いですから、負担も軽くはありません。

気がつかないうちにどんどん延滞税と加算税を上乗せされると大変なので、相続をするときは「税金がかかるかどうか」を素早く判断し、「10ヶ月以内に申告と納税」をしたほうが良いのです。

納税までにやることは山積み!

事故のあとは、どうしても生活が慌ただしくなってしまいます。

故人の葬儀に弔い、保険会社との損害賠償請金の示談交渉、そして遺産分割協議。

ただでさえ時間がないなかで多くの「しなければならないこと」をこなす必要があるので、相続税の納税まで手がまわらないことも十分に考えられます。

ざっくりとでも良いので「相続税がかかる」ことがわかれば、あとは税理士などを雇って実務を任せることもできるのです。

相続税は放置できない問題です。

そのつど必要な対応ができるように、相続税は基本の部分だけでもしっかりと抑えておきましょう。