遺言がない場合の遺産相続は、「相続人同士の話しあい」で決める!

「お金が絡むと人が変わる」

なんて良くある話ですよね。

実際、大金を手にするチャンスが目のまえにあったとしたら、ほとんどの人がチャンスをつかもうとするでしょう。

どんなに悲惨な死亡事故でも、被害者が亡くなった以上その財産は相続人に相続されます。

ほとんど相続できる財産がない、という場合は別として、銀行口座に貯めているお金や自動車、持ち家などがあれば、「欲しい!」と思う人はいるのです。

死亡時に遺言がない場合、被害者の財産はあなたを含めた遺族、相続人全員の話しあい、いわゆる「遺産分割協議」によってわけ方を決めることになります。

ただ、遺産分割協議は一筋縄でいくとは限りません。

損害賠償請求をうまく進めるためには損害賠償についての知識が必要なように、遺産分割協議にも十分な知識があったほうがうまくいきやすいのです。

そこで今回は、遺産分割協議の流れや遺産の分割方法、そして死亡事故の遺産分割協議で注意すべき点を紹介いたします。

遺産分割協議の流れ

まずは、遺産分割協議をはじめてから終わるまでの流れを簡単に確認していきましょう。

①日時を示し合わせて、相続人が集まって話しあいをする

遺産分割協議は、「相続人全員の話しあい」ですから、連絡がつかない人がいたり、ほかの相続人をのけものにして話しあったりしてはいけません。

理想的には葬儀の時点である程度相続人の予定を抑えておいてもらえるよう確認しておくのが良いのですが、それはさすがに難しいので、葬儀のあとできるだけ早い段階で相続人全員が集まることのできる日時を決めましょう。

②遺産のわけ方に納得できたら、「遺産分割協議書」をつくる

遺産分割協議では、どの相続人が、なんの財産を、いくらくらい相続するのか細かく話しあうことになります。

例えば、「家は奥さんが、不動産は長男が、現金は次男が」といった感じですね。

遺産分割協議の内容、遺産のわけ方に相続人全員が納得したら、内容を確定させるためにも「遺産分割協議書」をつくりましょう。

③遺産分割協議書をもとに遺産をわけ、申告と納税を済ませる

遺産分割協議書があれば、あとから言った言わないのトラブルが起こりません。

また、遺産分割協議書は不動産や自動車などの名義変更をするときにも役立ちます。

書面の内容のとおりに遺産をわけたら、申告と納税を済ませましょう。

死亡事故の場合、「加害者に請求する損害賠償金のわけ方」にも注意しよう

病死や老衰の場合は考えなくて良いのですが、死亡事故の相続では、「加害者側から勝ち取った損害賠償金」も相続財産としてわけなければなりません。

遺産分割協議を行う時点ですでに損害賠償金が振り込まれているのならば、書面に具体的なわけ方を記入するようにしましょう。

とはいえ、損害賠償請求の示談にも裁判にも時間はかかります。

損害賠償金の金額が決定していない場合は、「相続人の○○が損害賠償金の○%を受け取る」「損害賠償金については金額が決定してから、後日協議を行って決める」などの一文を入れておくと良いでしょう。

遺産分割には4つのわけ方がある!

「話しあいをして遺産をわける」といっても、「遺産ってどういうふうにわければ良いの?」と思う方もいますよね。

現金なら簡単です。

この人に○万円、この人に○万円とわければ良いわけですからね。しかし、不動産や権利はどうやってわけたら良いのかイメージしづらいはず。

「話しあいで半分ずつ相続することになったから、あなたと私のぶんとして、このマンションをケーキのように真っ二つに切りましょう」なんて現実的ではありません。資産価値も激減です。

そこで、遺産分割には、

  • 現物分割
  • 共有分割
  • 換価分割
  • 代償分割

という4つのわけ方が用意されています。

現物分割

現金はこの人、家はこの人、土地はこの人、というふうに遺産をそのままわける方法です。

当然のことながら、金額的に公平に分割するのが苦手です。

共有分割

不動産など、現物でわけにくいものを所有権の割合で考えて、「お兄さんが50%の所有権、妹さんが50%の所有権をもつ」というふうに、持ち分でわけるやり方です。

じつは、後々権利関係のしがらみから相続人同士のトラブルになりやすいというリスクがあります。

換価分割

売れる遺産を売り払ってしまい、そのお金を分割する、という方法です。

不動産など、売却が決まるまでに時間がかかるものもありますし、物品や権利をそのまま残せないというデメリットがありますが、かなり平等に分割できます。

代償分割

例えば、「400万円の自動車」と「300万円の現金」をAさんとBさんの2人でわけるとき、400万円の自動車をもらったAさんが、「価値の差額である100万円を、個人的にBさんに支払う」ことで、金額的な釣り合いを取る、という方法です。

どの分割方法にもメリットとデメリットが存在します。

遺産の種類や金額に応じて、最適な遺産のわけ方を話しあいましょう。