相続財産にあたるのかどうかを知らないと、余計なところでもめてしまう!

亡くなった時点でもっていた財産は、相続人同士でわけあいます。

ただ、「これは遺産としてわけたほうが良いの?」「適当に処分して良いの?」と迷う所有物もありますよね。

いくら相続といっても、故人の所有物すべてを体育館の床に並べて、「ぼくはこれ」

「私はあれ」とやるのはあまりにも面倒です。

どの財産が相続できて、どの財産は相続の対象にならないのかがわからないと、みんなで相続すべきものを一人が独占してしまったり、本当は相続する権利があるのにそれを知らずにべつの人に取られてしまったり、相続に関係のない人が首を突っ込んできても突っぱねることができなかったりしてしまうかもしれません。

相続には10ヶ月という申告の期限もありますから、適切に相続を終わらせるためにも「相続の対象になるものとならないもの」の区別を知っておいたほうが良いのです。

相続も損害賠償請求も、知らなかったから、損をしたからあとからそれを取り返すのは困難です。

最初から不必要に損をしなくて済むように、必要な知識を確認しましょう。

故人の財産は、プラスとマイナスの財産にわけられる

相続の対象となるものとならないものを考えるまえに、相続財産(相続の対象となるもの)をおおまかに説明していきます。

相続というと、なんとなく現金や不動産がタダで転がり込んでくるようなイメージのある方もいるのではないでしょうか。

ですが実際には、遺産相続では「もらうと財産が増えるプラスの財産」と「もらうと財産が減るマイナスの財産」が存在するのです。

ざっくりいうと現金をもらえばあなたのお金は増える、借金をもらえばあなたのお金は減る、ということです。

相続ではプラスの財産もマイナスの財産も相続の対象です。というわけで、プラスの財産とマイナスの財産をざっと紹介していって、それから「相続財産にならないもの」をあげていきます。

故人から相続するプラスの財産

現金や預金

故人がもっていた現金や故人名義で口座に預けているお金は、相続の対象になります。

不動産

故人名義で所有している賃貸マンションやもち家、土地、はたまたもっている不動産にくっついている借地権なども相続の対象です。

本人が購入したものだけではなく、故人の両親や祖父母から相続していたり、生前贈与で不動産を受け取っていたりしているものも対象です。

株券などの有価証券

株券や国債など、いわゆる有価証券と呼ばれるものも相続の対象です。

売ったり払い戻しをしたりすれば、現金が手に入るのでわかりやすいですね。

美術品や自動車など、金銭的な価値がある物品

故人がコレクションしていた美術品や芸術品、コレクター垂涎のお宝なども、相続の対象です。

一般的に相続財産になる物品として多いのは、自動車や家財道具です。

債権や損害賠償請求など、金銭的に価値のある権利

他人や会社に対する債権、故人がもっていた価値のある特許権、事業をしていた場合は未回収の売掛金なども相続財産です。

形のない損害賠償請求権などの権利も相続財産になるので、見落とさないように注意が必要です。

故人から相続するマイナスの財産

銀行やキャッシング会社、知人などからの借金

マイナスの財産としてわかりやすいのが、借金です。

友人や知人から借りていたお金はもちろん、キャッシング会社や銀行から借りていたお金、ローンなども対象です。

借金以外の債務

借金以外の債務とは、「まだ支払っていないお金」のことです。

クレジットカードの引き落としや公共料金、家賃などですね。

未払いの税金

年度の途中で死亡事故が起きた場合、元旦から事故の日までの収入で「準確定申告」が必要です。

そのほか、まだ納めていない市県民税や年金、固定資産税や自動車税などもマイナスの財産です。

香典や死亡保険金など、相続財産にならないもの

どんなものが相続の対象にならないのかというと、「金銭的な価値に換算できないもの」や「故人のものではない財産」などです。

ちょっとわかりづらいので補足しましょう。

例えば、故人が大切にしていた「孫が書いてくれた絵」などは、値段がつきませんよね。こういった思い出の品など、金銭的な価値がつかないものは話し合って欲しい人がもらえば良いわけです。

また、葬儀のときの香典は喪主が受け取るものですから、喪主個人の財産であって相続の対象にはなりません。

死亡保険金などは、「契約者が亡くなったときに受取人にお金が支払われる契約」であり、個人が亡くなったときにもっている財産ではなく受取人の財産となります。

みなし相続財産というものにはなるので相続税は考えなければならないのですが、厳密にいうと相続財産にはならないのです。

相続財産になるかどうかは、「亡くなった時点で故人のもちものだったのか」「金銭的な価値に換算できるのか」で決まります。

加害者への損害賠償請求で、請求できる費用をきっちり請求するように、相続でも分割すべきもの、相続の対象とすべきものをきっちり分割していきましょう。