損害賠償請求の内訳を知ろう!

死亡事故のあとに行う損害賠償請求をするにうえで、「あなたが知っておいたほうが良いこと」はたくさんあります。

ですが、正直なところ法律、判例、医学、役所関係の手続きなどは小難しい表現や細かいルールも多く、理解するのが大変ですよね。

できればわかりやすくかみ砕いた表現で必要な部分だけ抑えていきたいものです。

そこで今回は、「相手に対して行う損害賠償請求の根拠はどのようになっているのか」を説明していきます。

加害者に請求する損害賠償の根拠とは

あなたの1ヶ月の生活費はいくらですか?

1ヶ月の生活費を計算するとき、「月○万円だな」と総額で考えるのは難しいですよね。

家賃がいくらで、水道光熱費がいくらで、携帯がいくらで、そうそうクレジットカードの引き落としがあったな・・・といったふうに、細かい費用、細かい金額ごとにわけて考えたほうがわかりやすいでしょう。

「ほかの人の生活費と自分の生活費をくらべて、むだを削って貯金したい!」なんて考えるなら、比較する費用は細かければ細かいほど良くなります。

損害賠償請求も、じつはこうした考え方で計算されています。

「○○に関する損害がいくら」「△△に対する損害がいくら」「全部を合計すると、総額でいくら」といったふうに損害賠償請求額を計算するのです。

費用の内訳が細かいと、ほかの人の損害賠償請求の金額も参考にできますし、「損害賠償請求は1億だ!」と総額だけで請求するより、個別の費用について説得力のある説明ができるようになります。

そして損害賠償金の内訳は、性質的によって2つに分類されています。

損害賠償には「財産的損害」と「精神的損害」という大分類がある

損害賠償請求の分類を一番おおきなくくりで考えると、「財産的損害」と「精神的損害」にわけることができます。

精神的損害は、いわゆる精神的な慰謝料のことですね。

財産的損害とは、「事故のせいで被害者や被害者遺族が支払うことになったお金や、失われた将来の利益」のことで、性質ごとにさらに2つにわけられているのです。

財産的損害は、積極的損害と消極的損害にわけられる!

 財産的損害は、「積極的損害」と「消極的損害」にわけられます。

消極的損害についてはつぎの記事で説明をするのでおいておくとして、積極的損害とは「事故のせいで被害者遺族が支払うことになった、いろいろな費用」のことを指します。

ようするに、精神的に傷ついたことに対する慰謝料や逸失利益などは置いておいて、とにかくかかった費用は加害者側に弁償してもらおう、ということです。

積極的損害は具体的な費用別にわけられているので、ざっと確認していきましょう。

積極的損害のまとめ

治療や入院、介護に関係する費用

死亡事故ではあまり関係のない費用ではありますが、例えば死亡事故でも、事故直後は被害者が生きていて、病院での治療を受けたけれどだめだった、といった場合は治療費を病院に支払う必要がありますよね。

亡くなったのは故人だけで、一緒に車に乗っていた奥さんや子供がけがをしてしまった、後遺障害を得てしまった、という場合も考えられます。

治療や入院、介護に伴って必要になる治療費、入院費、付き添いのためにかかる費用、介護用品をそろえるお金などは相手に請求できるのです。

領収書やレシート、メモを取っておいて、金額を計算します。

葬儀費用

事故がなければ故人が亡くなることはなく、葬儀をあげる必要もありません。

いくら人間いつかは葬儀が必要になるといっても、被害者に高額な葬儀費用を負担させるのは好ましいことではないですよね。

そういうわけで、葬儀費用も請求できます。

ただし、自賠責基準なら60万円から最大100万円、裁判基準でも150万円と、基本的に実費ではなく相場額の請求しか認められないので注意が必要です。

損害賠償をするために必要な書類の取得費用など

保険会社に対して損害賠償請求をするためには、死亡診断書(死体検案書)や交通事故証明書などが必要になります。

書類の発行費用や手続きにかかるお金は遺族が負担しなければならないので、事故による損害とカウントし、相手にお金を請求できるのです。

こちらも、金額の計算は領収書などで行います。

弁護士費用、遅延損害金

死亡事故での損害賠償請求は、難しくいうと「相手側の不法行為に対する損害賠償請求」なので、民事で裁判をしてあなたが勝った場合、弁護士費用も請求できます。

金額はだいたい、判決で決まった賠償額の1割くらいです。

また、遅延損害金といって賠償が行われるのが遅れたことに対するペナルティ(レンタルDVDの延滞料のようなもの)も請求できます。

遅延損害金は、判決が出るまでの日数などから金額の計算をします。

加害者側に対して損害賠償請求をするときは、これらの細かい分類を調べたうえで金額を計算し、「どうして相手にこの金額の請求をするのか」を説明する必要があります。

示談も裁判も、こういった細かな証拠、説明の積み重ねが希望額の請求につながるのです。