保険会社の人が提示してくる「過失割合」に納得いかない!

たとえ死亡事故であっても、故人の過失割合によっては相手や相手保険会社に請求することのできる損害賠償の金額は、大幅に下がってしまいます。

過失割合とはつまり「故人にどれだけ非があったのか」を示す数字でもありますから、示談交渉の場で「過失割合は80:20ですね!」なんていわれると、「こちらは人が亡くなっているのに過失があるってどういうこと!?」と納得いかない場合もありますよね。

過失割合については、ほとんどの場合お互いの保険会社の話し合いによって「○:○ですよ」と連絡されることになります。

被害者遺族が直接関与していなくても数字を出されてしまうぶん、保険会社が適当に数字をつけているんじゃないか、加害者にはもっと非があるはずなんじゃないか、と不安になってしまうのも仕方のないことなのです。

ただ、単に不安になる場合とは別に、加害者がでたらめな主張をした結果、被害者に不当な過失割合を押し付けられてしまう、なんてケースも存在します。

過失割合に納得がいかないとき、加害者がめちゃくちゃな主張をしているときに諦める必要はありません。過失割合に納得できないとき、遺族としてできることを紹介します。

提示された過失割合が不当である、という証拠が大事

はっきりいって、過失割合を細かく争うのはかなり大変です。

遺族が求めるのは「事故原因についての真実の究明」や「100:0の過失割合」ですが、死亡事故である以上、故人から事故状況を聞くことができないので、真実を明らかにするのがとても難しいのです。

そして、保険会社の人はどんなに悲惨な事故であっても、「お互い車に乗って走っていたなら、被害者といえど過失がゼロというのはありません」といった主張をしてきます。

交通事故の過失割合は、基本的に弁護士や裁判官も参照する通称「赤い本」や「青本」を参考に決められます。

そんな相手に対抗するためには、客観的かつ説得力のある「証拠」が必要不可欠なのです。 

不当な過失割合を退けるための証拠とは

交通事故の過失割合で重要なのは、「どのような状況で、どのようなことが原因で事故が起こったのか」です。

一度提示された過失割合をひっくり返すためには、たとえ裁判になって第三者を入れても相手を説得できるだけの証拠が必要です。

そして、過失割合を考えるにあたって必要な証拠として最も使えるのが、警察の捜査によって残る「刑事記録」や「交通事故証明書」となります。

警察は民事不介入なので、過失割合がどのくらいだ、という話に入ってくることができません。ですが警察が調べた事故現場の情報を確認できるこれらの書類を見れば、もし相手が明らかな嘘をついていても暴くことができるのです。

例えば、加害者は「事故は信号が見えていなかったため起きた」といっていても、警察の捜査によれば「事故現場は見晴らしが良く、信号が見えないというのありえない」なら、相手側の主張をひっくり返せます。

とはいえ、警察の捜査資料が絶対というわけではありません。場合によっては手抜きの捜査になっている場合もあります。

そんなときのために、遺族は自ら証拠を集めましょう。現場の写真はもちろん、目撃者の証言、事故当時の信号の色や気象情報、専門機関による調査、事故状況の再現。

故人の車にドライブレコーダーなどがついていれば、それも証拠として使えます。

事故の証拠は時間が経つにつれて確保するのが難しくなっていきますから、理想をいえば事故直後から証拠の確保に動いておくのが望ましいです。

示談がうまくいかないときは調停へ

客観的な証拠をそろえて過失割合について示談をしても、確実に交渉がうまくいくとは限りません。

保険会社としては、被害者の過失割合が大きければ大きいほど自分たちの会社が支払う金額が小さくなるわけですから、必死なのです。

 どうしても示談がうまくいかない場合は「公共財団法人 交通事故紛争処理センター」に和解のあっせんを依頼しましょう。

そうすれば、機関の弁護士が双方の意見を聞いて妥当な落としどころを見つけてくれます。利用も無料ですし、実際に多くの事故の争いが裁判になるまえに和解で終わっています。

最終的には裁判で決着を!ただし、費用対効果を考えよう

示談でもダメ、交通事故紛争処理センターによる和解のあっせんでもダメ、となるといよいよ民事訴訟をすることになります。

ただし、過失割合についてのみ裁判で争うのはあまり良い方法とはいえないので注意が必要です。

裁判では、過去の判例にもとづいた判断がくだされます。保険会社との示談交渉で提示された条件のほうが、判決の条件より譲歩されている、なんて可能性もあるのです。

裁判そのものにもお金と時間がかかります。

裁判で争うなら、過失割合だけでなく、損害賠償の金額や細かい費目について見つめなおしたほうが、得られる結果は大きくなります。

弁護士に相談して過失割合が妥当なのか、相手の主張をひっくり返すために必要なものはなにか、費用対効果は? といったことを考えてから動きましょう。