加害者の処分に納得できないときは、どうすれば良いの?

「こっちはこんなに苦しんでいるのに、人一人死なせておいて罰金だけってどういうこと!?」

死亡事故の加害者に与えられた処分の内容が軽い、どうしてきちんと処罰してくれないのか、と思うケースは多いです。

加害者の権利は強く守られていますし、死亡事故の場合、加害者が警察や検察に協力的な態度を取っていれば逮捕されないこともあります。

実刑を受けても執行猶予がつくことが多いので、実質的に相手が受ける損害は免許の反則点をもらった程度、なんてこともあるわけです。

加害者の処分にどうしても納得できないときは、被害者遺族が適切な処分をしてもらえるように動くことを考えてみてはいかがでしょうか。

今回は、「加害者への処分が確定したあと、不服があるときにできること」を紹介します。

裁判の判決に納得がいかないなら、控訴、上告する

加害者の刑事処分は、刑事裁判の結果で決まります。

ただ、場合によっては警察がきちんと捜査をせず、加害者の意見をうのみにしていたり、検察官も面倒ごとはいやだとばかりに厳しい追求をしてくれず、ごく軽い罰で終わることも考えられます。

日本の裁判制度は三審制ですから、裁判の判決に納得がいかない場合、上位の裁判所に進んで再度裁判をやり直すことも考えてみましょう。

 一旦判決が出てしまっても、控訴すれば高等裁判所に、高等裁判所の判決にも納得いかなかったら、上告して最高裁判所に進めます。

ただ、控訴や上告がうまくいく可能性は高いとはいえません。

刑事裁判の控訴がうまくいく可能性は、低い

控訴をするためには、訴えた側か、訴えられた側が手続きをする必要があります。

加害者のほうが「刑罰が重すぎる!」と控訴するなら話は簡単なのですが、刑事裁判では「加害者を訴えるのは検察であって被害者遺族ではない」ので、控訴するためにはまず遺族が検察の人を説得しなければならないのです。

実刑判決が出ている場合、遺族からみると不当に軽い処分でも、実際には過去の判例にもとづいた公平かつ妥当な処分がくだされていることも多々あります。

検察としては、有罪判決が出ている以上無理に控訴をする理由がないこともあり、説得するのは大変です。

ただ、加害者が嘘をいって故人に事故の責任を押し付けているため処分が軽くなっている、というケースでは、控訴や上告の効果は大きいです。

不起訴になったら「検察審査会」に異議を申し立てる

加害者を起訴して刑事裁判にかけるかどうかは、検察官の手に委ねられています。

検察官が加害者を不起訴と判断した場合、刑事裁判すら行われません。

検察官も人間ですから、ときには判断を間違うこともあるわけです。

不起訴に納得できないときは、検察審査会に不服を申し立て、本当に不起訴なのか審査してもらいましょう。

世の中には悪い人もいて、「不起訴になるまでは殊勝にしていて、不起訴になったらやりたい放題」なんて人もいます。

不起訴となると事実上ほぼ処分なしになってしまいますから、できるだけ厳しく追求していきましょう。

検察審査会に不服を申し立てるときは冷静に

検察審査会に不起訴処分の不服を申し立てるときは、できるだけ冷静に意見を伝えるのがおすすめです。

ちょっと考えてみてほしいのですが、

「どうして犯人が不起訴なんですか!? こっちは家族を亡くして大変なのに、事故はこっちのせいみたいにいわれて! ぜんぜん反省してないし、故人だってバカにされてるんですよ! あんな奴有罪に決まってます! 警察や検察の人は犯罪者を野放しにするんですか!?」

というのと、

「加害者からは、これまで一度も謝罪のことばをいただいておりません。むしろ、「下手くそなくせに運転しやがって、不起訴になったらこっちのもんだ。金がほしいなら保険会社にでもいえ!」といった暴言もあり、重大な事故を起こしたにも関わらず、反省をしているようには思えませんでした。このような人物が野放しにされていて、本当に安全なのでしょうか」

というのでは、どちらに説得力を感じますか?

どちらの意見も、「加害者が不起訴なんておかしい」といいたいわけですが、いい方一つで意見の説得力や印象はずいぶん変わりますよね。

どんなに正しいことをいっても、感情的な「いい方」をすると、聞いてほしい相手にきちんと伝わらないのです。

不服の申し立てだけに限らず、説得や訴えをするときは、冷静に意見するほうが効果的です。

重い刑罰を望むなら、結果が出るまえに動くべし

 残念なことに、一度決まった処分をひっくり返すのはとても難しいです。

だからこそ、加害者に厳しい処分を望むなら、「処分が決まるまえに動くべき」なのです。

なお、処分が決まるまでに遺族ができることは「加害者の量刑を重くしたい時に遺族ができること」で紹介しています。

加害者への処分は刑事や行政のものだけではありません。

決まってしまった処分を飲み込み、損害賠償請求に力を入れるという手もあります。

かかる手間や時間、難しさや効果を考えて、できそうなことから取り組みましょう。